アンフェアな月

f0192920_22544.jpg東京出張の日から読み始めた『アンフェアな月』も、ほぼ電車の中で読みきってしまった。
もともと脚本家(『救命救急24時』や『HERO』など)・演出家だった秦建日子が、2004年に小説家デビューした『推理小説』の続編(?)になるわけだけど、さすがにテレビドラマの脚本を書く人らしい、絶えず人を飽きさせない工夫がなされていて面白い。

本書では、前作の連続殺人とはうってかわって誘拐を描いている。ただの誘拐ではない。乳児誘拐だ。生後三ヶ月の子供が誘拐され、誘拐犯が身代金を要求すれば、これは雪平夏見刑事が活躍する事件ではないが、誘拐犯は警察が介入してきた事を知りつつ、雪平刑事を電話係に指名してくる。
その意図は何か?そして犯人は誰か?そしてそして小説「推理小説」の続編であるからには、「推理小説」の常識の裏の裏をかくような仕掛けがあるはずだが、それは一体何か?

仕掛けが気になるところだが、前作もそうだったよう、今回もあっけない幕切れで、謎が明かされて「やられたぁ~」という感じは実はそれほどしない。しかし「なるほどそうきたかぁ」と関心させられる結末になっていて面白い。

さらに面白いと言えば、前作を読んだ時はヒロイン雪平刑事のキャラがそれほど立っているとは思えなかったのだが、今回はあきらかにキャラが立っている。というか、もう雪平夏見=篠原涼子としか思えない。イメージが確立してしまった。逆に著者自身も篠原涼子のドラマのイメージを念頭に書いているとしか思えない。セリフ一つ一つに篠原涼子の凛々しい男まさりのトーンがこだましてくる。
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by cc-takec | 2008-08-30 20:22 | 読書
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写真、本、映画、ときどき音楽の三行日記、でも最近はライブの報告ばかり...


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